月刊バスワールド2003年12月号掲載
(この原稿は下野正希氏が書いたものです。)
緊急特別企画
世に閉ざされ知られざる事実
その真実を下野正希が語る
琵琶湖で起こったヨット事故
沈没したヨットを発見したのは
琵琶湖バスアングラーの
ボランティアだった!!
| ヨット発見に至った経緯を下野正希が克明に綴る
9月に琵琶湖で発生したヨット事故の捜索活動について、一般メディア等での報道に正確を記すものが少なかったので、ここに報告をします。 当初、この事故捜索のテレビや新聞等での報道に「バスを釣ることが好きな人たちのボランティア」があったことは、報道されませんでした。そこで、全国のバス釣りが好きな方々に「バス釣り仲間もけっこうやるもんだな」と、正しく理解をしてもらうために、報告をしたいと思っています。 <経緯> ●事故発生2日後夕方、沈没したヨットの仲間の捜索ボランティアの人たちから、大津市今堅田にあるリブレバスクラブ内のバイタルスピリットに、魚探付きのバスボートのレンタルの申し込みがありました。 |
||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||
| ●バイタルスピリットのオーナーの菱田氏は、現在は引退しているもののJB発足時からのバリバリのトーナメンターです。そんな彼が「魚探を見ることはバス釣り師のほうが確かやろ」と、捜索ボランティアを申し出ました。そして菱田氏からの連絡で「滋賀県フィッシングボート共同組合」と「滋賀県釣り人協議会」のメンバーが協力することに決定。もちろんメンバーは、JBトーナメンターであり、バスフィッシングガイドをしている者も加わった。翌日に急に言っても現場が混乱してはと、滋賀県釣り人協議会代表である(株)ジャッカルの代表、加藤誠司氏により堅田警察に捜索ボランティアの意思を伝える。 | ||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||
| ●捜索ボランティア初日。自分(下野)の頭の中に捜索プランがあったので、集まった人たちに「メタルジグとタックルを積んできたか?」と問う。(株)ジャッカル提供で全員メタルジグを積み込んで出船。捜査本部がある志賀ヨットクラブに接岸。警察の捜査本部の方たちは、私たちを無視。ただ取材のマスコミの人たちは、現場に不似合いな私たちに向かって質問をしはじめる。たまたま最初に接岸した自分(下野)にマスコミの方たちが集まってきたが、今回のリーダーである加藤氏に説明を託す(菱田氏は2日目のリーダー)。その後、ヨット仲間の捜索リーダーの吉田氏に、自分たちは何をすればいいのかとミーティング。 | ||||||||||||||
![]() |
●当日は、生存者の方が沈没地点を確認された日だったので、沈没地点付近に魚探をかけて沈没したヨットを捜索して欲しいとのことだった。ヨット仲間の方たちの中に顔見知りの方がおられたので、「この沖は湖流があって、沈んだ場所にヨットはないですよ。遺体も運が悪いですよ、先週ならば浮いてきただろうけれど、沈んだ日は水温が下がった日だったから、底に沈んでいるとおもいますよ。もし何かのタイミングで遺体が浮いたとしたら、この前でなく長命寺〜沖ノ島へのライン上で浮きますよ」と、自分の考えを伝えた。 | |||||||||||||
| ●捜索ボランティア開始。リーダーの加藤氏に「仲間や家族の人たちの心情的には、沈没地点を探してほしいだろうから、みんなで魚探をかけてくれ。自分は思うラインがあるから、先に1人でやっているよ」と伝える。
●午前中結果なし。 |
||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||
| ●午後の捜索開始。そこで自分は、皆に自分が思うライン上の目標物を伝えて、並んで進んでもらう。そして5〜10分後、バイタルスピリット・スタッフの小田氏が「あった!何か物や!」と声を出す。皆でエレキを降ろしてフロントの魚探でチェック。確かに「物がある」。皆でメタルジグをキャスト。物を掛ける作業開始。JBマスタープロでありプロガイドの河畑氏が、「掛かった!」と声を出す。リールのラインを水底から垂直になるように巻き取り、ラインを水面でカットしてマーカーブイに結ぶ。そして、ヨット仲間の方たちに「物発見」を伝えて、ヨットレース用の大型三角ブイをマーカーとして設置してもらう。 | ||||||||||||||
|
なぜかどのメディアでも報道されることのなかったバスアングラーの善意…
|
||||||||||||||
| ●ヨット仲間の方たちを介して、警察に潜水と水中カメラによるチェックを依頼する。しかし、依頼するものの警察の行動がないので、自分たちも他に何か映し出されないかと、午後の残り時間で捜索を続ける。
●特に反応がないまま、終了。 ●夜。テレビニュースで「本日の捜索には進展はなし。明日朝からは魚群探知機で発見した、何か物らしい場所を水中カメラでチェック」と伝えている。たった一言も、バス釣り人のボランティアで発見された物だと伝えられていない。 ●翌日。菱田氏をリーダーに初日と同じようにボランティアでの捜索に協力。昼過ぎに、その「物」を沈没したヨットだと水中カメラで確認。そして、ヨット近くで2人の遺体を確認。 ●午後、テレビでそのことを知った自分は、菱田氏に電話を入れる。が、「エッ、ほんまかいな。オレまだ探してるで。警察は何も言いよらへんで。確認するわ」とのこと。 |
||||||||||||||
| 以上が話の流れ。追加すると、後日ヨット仲間の人たちのボランティアが、ひょっとしてと思い自分が言ったライン上をチェックして、1人の遺体が長命寺沖で発見されたとのこと。
新聞やテレビなどの各メディアでは、連日捜索する県の水中カメラ搭載船や漁船の姿は紹介するものの、「バス釣り人たちのボランティア」の姿は紹介されていません。このことを遺憾に思われたヨット仲間の方々からの抗議により、10月に入ってから地方紙には少しづつ「バス釣り人のボランティア」のことが載るようになりました。でも、それ以前には各マスコミでは犬が遺体発見のためにニオイを嗅ぐ姿がおおきく取り上げられていたのですが、私たちのことは普通の流れの中で無視されていました。私たちバス釣り人は、犬以下らしいです。加えて、漁船の方たちは、捜索するにあたっては仕事として日当が支給されています。 |
||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||
| ただ自分としては、全国のバス釣り人の方たちには、バス釣りに夢中になり続けていて自然に身に付いた各自の能力が、世の中の役に立ったという事実をお伝えしたく。この紙面をお借りしました。
もう1つ追加。今回のボランティア参加の人たちが家に帰って、家族から「ヨット発見されたで」と言われ、「あんたらが発見したらしいな」と言われなかったことは、日本の各マスコミが常に事実を伝えているわけではないことを、自分自身の体験として知ることができました。また、バス釣り人の捜索ボランティアは、各自都合のつく限りですが、10月に入ってもマスコミの反応とは関係なく続けられていることも、ここで伝えておきたいと思います。 下野正希 |
||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||